2017年1月31日 (火)

電子出版しました!

ご愛読、ありがとうございます。

皆様のご感想、ご意見に配慮しつつ、この5年間の社会変化を織り込んで、大幅に書き直し、改めて電子出版に到りました。

ご関心のある皆様にご覧いただければ幸甚です。

平成享保・その先を読む・・・人減定着日本展望

(Amazon.Kindle版)

Pr_2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年5月24日 (火)

再び人口増加社会へ

以上のように、工業後波を支える3つの要素は、これまでの粗放科学技術、粗放市場経済、無制約国際化から、集約科学技術、集約市場経済、選択的国際化へと転換されていきます。

 こうした転換によって、おそらく次の工業文明は従来の粗暴な次元を乗り越え、より成熟し洗練された科学技術、経済制度、国際関係へ進んでいくものと思われます。

これこそ「粗放工業文明から集約工業文明へ」、あるいは「工業前波から工業後波へ」の移行を意味しています。これまでの工業前波は工業文明の前半にすぎず、工業後波の開始に伴って、より成熟し、より完成された段階に入っていくということです。

こうした集約工業文明を、日本人の手で21世紀の中ごろまでに生みだすことができれば、21世紀後半の人口容量は再び拡大し、それにともなって日本の総人口も再び増加しはじめ、1億2800万人の壁を易々と乗り超えていくでしょう。

勿論、そのインパクトは日本に留まるものではありません。日本人が新たな文明の可能性を見つけだすことができれば、それは同時に、世界の総人口が80~90億人の壁を突破し、再び上昇をはじめることを意味しているからです。

こうした意味でも、工業前波の最先端を突っ走っている日本は、21世紀の最先進国として、まっさきに次の波動を作りだす役割を担っているのです。

以上で「平成享保のゆくえ」を、とりあえず終わります。ご愛読、ありがとうございました。別の形で、新コラムをはじめたいと思います。しばらくお待ち下さい。

| | コメント (8) | トラックバック (0)

2011年5月23日 (月)

集約工業文明の3要素

こうした視点に立つと、集約工業文明とそれに基盤をおく工業後波のおおまかなイメージが見えてきます。おそらくそれは工業前波を支えていた科学技術、市場経済制度、国際協調主義(グローバル化)の3つを大きく変えていくことになるでしょう。

その方向を大胆に見通せば、「粗放科学技術から集約科学技術へ」、「粗放市場経済から集約市場経済へ」、「無制約国際化から選択的国際化へ」という変化に集約できます。

「粗放科学技術から集約科学技術へ」とは、科学技術の本質が変わっていくことを意味します。先に述べたように、現代の科学技術は、鉱物や化石燃料を〝爆発〟させてエネルギーを獲得するという〝粗暴〟な基盤に基づいています。

 パソコンやインターネットなどのソフトな技術でさえ、爆発エネルギーが提供する電力が途絶えれば、直ちに停止してしまいます。それゆえ、次の文明を支える科学技術は、もっと緩やかに抽出できるエネルギー源に基礎をおかなければなりません。

この方向を実現するにはさまざまな対応が考えられますが、太陽光、風力、水力、地熱などのエネルギーを直接採集して集約する、より「柔らかな」自然系エネルギーへの転換が1つの方向になるでしょう。

 つまり、「宇宙エネルギーが長期的に蓄積された化石燃料などを採集・消費する」文明をさらに進展させて、「採集圏域を増やして、化石燃料などをより効率よく採集するとともに、エネルギーの集約や育成を図る」文明へと転換していくということです。

「粗放市場経済から集約市場経済へ」とは、経済構造がより進化していくことです。現在の市場主義は、グローバル市場主義の乱暴な介入に国内経済が引っかき回されたり、競争激化によって貧富の格差が拡大するなど、いわば「粗暴な市場経済」の次元に留まっています。

 おそらく工業後波を支える経済制度はこうした欠陥を是正して、国際性と国内性の調和、市場性と象徴性の調和、そして価値と効能(私的有用性)のバランスなどに配慮した、より「柔らかな」体制をめざすことになるでしょう。

「無制約国際化から選択的国際化へ」とは、国際協調主義の方向が変わっていくことを意味しています。これまでの国際主義は、一国の国境を絶対視しつつ、そのうえでどの国とも平等につきあうという、いわば「粗っぽい国際主義」でしました。

 しかし、今後はその方向が微妙に修正されていきます。先に述べたように、21世紀の地球では人口が爆発的に増加して、2020~2030年ころには食糧・資源・エネルギーが不足し、環境汚染も深刻化します。

 このため、先進国、途上国を問わず、世界各地で物資の奪い合いや環境汚染のなすり合いなど、さまざまなパニックの発生するおそれが急速に高まります。

そこで、日本もまた、従来の野放図な全面的国際化を修正し、農業国との連携や資源保有国とのタイアップなど、互いに援助しあえる国々との間で、新たな連携をめざす選択的国際化を進めることが必要になってきます。

 その意味で、日本の外交目標は「無制約国際化から選択的国際へ」と転換していかなければなりません。

| | トラックバック (0)

2011年5月20日 (金)

次期文明を展望する(その2)

こうした傾向が今後も続くと仮定すれば、次の文明の方向をある程度予想することができます。それは、現在の工業文明の延長線上に現れる、より高度な工業文明、いわば後期工業文明とでも名づけられる文明の創造です。

現在の工業文明が前期と後期に分かれ、前期工業文明を引き継いだ形で、後期工業文明が新たに登場してくる。江戸後期に西欧から導入した前期工業文明を、国内でさらに継承・発展させて、もう1段階上の後期工業文明を創りだすといってもいいでしょう。

農業文明の発展過程になぞらえれば、前期の「粗放工業文明」から、後期はもう1段上の「集約工業文明」に移行していく。人口波動でいえば、工業現波が前波と後波に分れ、現在の波は粗放工業文明による「工業前波」、次の波動は集約工業文明による「工業後波」になっていく、ということです。

考えてみると、これまでの工業文明は〝粗放〟ならぬ〝粗暴〟文明でした。自動車が衝突したり、飛行機が落下すれば、人間もまた死んでしまうという、まことに「粗暴な技術」で成り立っています。

 エネルギー利用もまた、石油やウラン燃料を〝爆発〟させて採取するという「粗暴さ」に基づいています。経済構造ですら、グローバル資本主義の乱暴な行動に引っかき回されるという「粗暴な経済」の次元でした。

とすれば、次の集約工業文明は、この粗暴な次元を乗り越えて、より優雅な技術や経済の段階へ進んでいかなくてはなりません。

 これまでにも独自の新石器文明や集約農業文明を生みだしてきた日本人の資質を考えれば、欧米型の粗放工業文明をさらに改良して、より高度な集約工業文明を創りだす可能性は限りなく高いはずです。

| | トラックバック (0)

2011年5月19日 (木)

次期文明を展望する(その1)

農業後波の下降期を参考にすると、工業現波の今後がおぼろげながら見えてきます。

 6章では、2020年代以降の「平成明天」時代に、加工貿易体制による人口容量は徹底的に見直され、人口減少に見合った濃縮社会へ移行していくと述べてきましたが、その後の日本はどうなるのでしょうか。

もし人口を再び増加させようとすれば、21世紀の中葉から後半にかけて、人口容量をさらに拡大するような画期的な文明転換を、日本列島の上で起さなくてはなりません。

 人口容量とは〔自然容量×文明〕ですから、新たな容量を構築するには、新たな文明の創出が必要です。もしそれができれば、工業現波に変わる、新しい人口波動が開始され、その上限はおそらく現代の1億2800万人を超えて、2倍から数倍に達するでしょう。

新たな文明とはどのようなものになるか、人口波動説からみると、おおまかな方向が見えてきます。これまで人類が辿ってきた5つの波動を振り返ってみると、文明の進展には一定の法則がある、という推測が成り立つからです。それは次の3つです。

(1)世界波動においても日本波動においても、石器前波と石器後波、農業前波と農業後波というように、2つの波動がペアになっている。

(2)波動を支える文明も「旧石器文明から新石器文明へ」、「粗放農業文明から集約農業文明へ」と、継承・発展の関係を持っている。

(3)日本列島では、旧石器文明や粗放農業文明を大陸から受け入れ、次にくる新石器文明や集約農業文明を内発的に創造している。このことは、基盤となる石器文明や農業文明が、海外から渡来したものであることを示している。

| | トラックバック (0)

«農業後波から工業現波へ(その2)