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2010年12月23日 (木)

人口波動で予測する

人口波動説などというと、なにやら胡散臭い感じがしますが、理論的な系譜としては、近代人口学の開祖、R・マルサスの提唱した「人口循環」論を、筆者が人口生態学や文明論の視点から再構築したものです。

人間は文明によって自然環境に介入し、一定地域が養える人口数を拡大していくことができます。この数を「人口容量」と名づけると、それは「一定の地域の自然環境を人間が一つの文明で利用して、どれだけの人口を養えるか」と定義されます。この容量に余裕がある時には人口は増えますが、余裕がなくなるにつれて、人口を抑制する、さまざまな仕組みが働きはじめます。

 注:「人口容量」という言葉は、生態学の用語「C
arring Capacity」を、古田隆彦が初めて人間に適用した造語です(『ボーダレスソサイエティ・・・時代は昭和元禄から平成享保へ』1989)。

人口容量は、人間が新たな文明を創造し、自然環境に働きかける度に更新されます。人口容量が変われば、人口の推移も変わります。それゆえ、人口容量が変化するにつれて、人口もまた段階的な波を描きながら増加していきます。この段階的な波を、筆者は「人口波動」(古田隆彦著『人口波動で未来を読む』1996)と名づけました。

実際、世界の人口は、旧石器文明で約600万人、新石器文明で約5000万人、粗放農業文明で約2億6000万人、集約農業文明で約4億5000万人、近代工業文明で約90億人と、文明が人口容量を拡大するごとに、波動を描くように増加してきました。これが世界の人口波動です(図表参照)。

日本列島の人口もまた、旧石器文明で約3万人、新石器(縄文)文明で約26万人、粗放農業文明で約700万人、集約農業文明で約3250万人、近代工業文明で約1億2800万人と、人口容量の拡大に沿って、5つの波を形成してきました。まさしく日本の人口波動です(図表参照)。

世界人口も日本人口も、両方とも5つの波を描いていますから、石器前波石器後波農業前波農業後波工業現波と、共通の名前をつけておきます。

これらの波動を未来予測に応用したものが「人口波動法」です。「人口波動でなぜ未来が読めるか」といえば、人口波動のプロセスには、自然環境と文明の関係が時間的な変化として潜んでいるからです。

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