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2011年2月 9日 (水)

強まる攻撃性

2番めの特徴は、自分の領分が少しでも侵されると、自分自身が傷つけられたと過敏に感じて、過剰に反発する人が増えてくることです。

 人口容量が伸びない以上、他人との関わり方にますます敏感になるうえ、自己肥大化で不機嫌になっていますから、ほんの些細なことでも爆発的に暴力に走るケースが増えてきます。

ヨーロッパの中世後期でいえば、1370年以降に、農民一揆が続発しています。封建領主による農業経営から自立しはじめた農民層に対して、支配者側はさまざまな抑圧を続けていましたから、フランスではジャックリーの乱、イギリスではワット・タイラーの乱、南ドイツではアペンツェル戦争など、地域的な農民一揆が起こっています。

 1358年に発生したジャックリーの乱は、1カ月で約1万に達し、また1381年にはじまったワット・タイラーの乱はロンドンを占領し、リチード二世と会見して、農民の権利拡大を要求しています。

江戸中期の日本でも、百姓一揆都市打毀が多発していました。百姓一揆では、先に述べたように、延享・延享・宝暦年間、小百姓が参加する惣百姓一揆が急増し、明和元年(1764)の関東大一揆(伝馬騒動)には、20万人もの小百姓が参加して、幕政を揺るがすほどになりました。

 一方、都市打毀しも、宝暦期(1751~63)になると、都市の庶民層が中心勢力となった惣町一揆が各地で勃発しました。

このように人口容量が飽和した社会では、身近な集団の中ではじまった攻撃行動が、次第に社会全体に広がり、やり場のない不満を手当たり次第にぶつけるようになります。

 昨今の日本でも、満員電車や混雑した駅などでは、ちょっと押されたり肩が触れ合っただけで、いがみあったり喧嘩に走り出しています。あるいは一瞬目を合わせただけで、悪意を感じて極端にキレたり、異常な攻撃にも出るケースも増えています。

 その延長線上で、最近のニュースには、無差別殺傷事件個室ビデオ店放火事件通行人連続殺傷事件など、異常な犯罪行為がしばしば登場しています。

一方、接触する機会が極めて濃密な知人や家族の集団においても、学友や仕事仲間の間ではイジメやシカトが、親子の間では幼児虐待家庭内暴力老人虐待が、夫婦や恋人の間ではドメスティックバイオレンスなどが、それぞれ頻発しています。

 それらが行き着いた先が、幼児殺人老親殺人といった、極めて悲惨な事件です。

いずれも閉塞社会の一面を示していますが、こうした現象は今後さらに広がっていく可能性があります。

 とりわけ、平成20年代(2008~17)には、失業者、破産者、あるいはフリーターなどの増加に伴い、彼らが徒党を組んで示威運動を展開する可能性も考えられます。

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